病院事業管理者挨拶

 

shirotani

2023年4月1日から、串本町病院事業管理者に就任いたしました城谷 学と申します。3月までは、近畿大学奈良病院で開院当初から約24年、循環器内科医として勤務し、救急対応を要する急性期治療を中心に心筋梗塞や心不全など、多数経験して参りました。3年間は病院長としての役割も担いましたが、新型コロナ感染が始まった時期に当たり未経験のことが多く、対応には模索を重ねるしかありませんでした。行政と病院スタッフ全員から知恵と協力を得ながら、急性期病院として感染および安全対策に努めて対処して参りました。

日本では今後生産年齢人口が減少し、高齢化が進むと考えられています。この傾向は地方のみならず都市でも認められます。加齢とともに運動量が減りますと、筋肉量・筋力は減少し、食欲低下からフレイルになると考えられています。フレイルは心身の活力低下を起こし、介護の必要性が高まっていく状態といえます。加えて認知機能の低下を伴うことも決して少なくありません。これからは誤嚥に伴う肺炎、心不全、脳梗塞や骨折が病気の多数を占めるようになると予想されています。いずれも長期の入院、臥床の必要性から、フレイルを招きやすい病気です。そこで高齢者の場合、筋力低下をきたさないよう病状が許す限り、入院早期から筋力低下の予防を図る必要があります。幸い、くしもと町立病院は急性期一般病床のみならず、自宅復帰をめざし在宅医療に移行する(介護依存度を高めない)ための地域包括ケア病床と療養病床も兼ね備えた病院です。

国は高齢化社会にマッチするように地域医療構想を提示し、2025年に運用しようとしています。背景には、医療従事者の働き方改革や社会保障上の財源破綻の問題があります。並行してICT(情報通信技術= Information and Communication Technology) の基盤が整い、オンライン診療や迅速な病状把握を可能にするシステムが進化する可能性もあります。そこで医療動向も念頭に行政と連携しながら、栄養管理やリハビリテーションも含め、多職種の医療スタッフが一丸となって取り組むことが求められます。全年齢層の患者様が抱く様々なニーズにお答えしながら、健康と活力の回復・維持を重視し、患者様の視点に立った医療を提供できる病院として、地域住民の皆さんにさらに貢献して参りたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

災害支援病院として迅速な対応にも備えながら、“断らない病院”、一旦入院となったら“面倒見のいい病院”を目指したいと存じますので、皆様にはご理解・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

2023年4月
串本町病院事業管理者
城谷 学

Shirotani Manabu